大阪社会福祉士会 事例研究会
大阪社会福祉士会 南河内支部 事例研究会に参加してきました。
今回の事例のテーマは「意思決定支援」です。
後見業務を行っていると、私自身も様々な意思決定をどう考え、どう決断するか。
いつも迷うところなので、大変参考になりました。
支援者が思う方向性と、クライアントの希望は、なかなかすんなりと一致しないものです。
そこで、どのようなプロセスをふんで、最終決断につないでいくか、、、
そして、その決断に至る根拠は何なのか。
そのことを、その方の背景にあるものを踏まえながら、慎重に考えていく必要があると思いました。
今回の事例研究会のテーマが
『大谷翔平は一日にしてならず〜普段の援助に活かす事例研究の方法〜』
でした。
野球選手がバッターボックスに立つ前に、必ず「素振り」をするように、
私たちも、ソーシャルワーク実践の前に「素振り」 つまり今回のような事例研究などに積極的に参加することで、
しっかりと練習を積み重ねる。そうすることでより質の高いソーシャルワーク実践に繋がる。
ということを教えていただきました。
日々の業務に追われて、なかなか自分の実践を振り返り、言語化することができなかったりしますが、
機会があればできるだけ今回のような事例研究会に参加し、自身のスキルをより高めていき、
私に関わっておられるクライアントの皆さんに、より良いものとして還元できれば、と思っています。
意思決定支援~被後見人って自由なお金はあるの?~
意思決定支援、と言う言葉を、最近よく聞かれるようになりましたね。
私自身まだまだわからないことが多いので、自身も勉強しつつ、実践をとおして学びを深めているところです。
後見業務で意思決定支援が出てくる局面と言えば、やはり施設やグループホームに入るという決断をする。というのが鉄板。
年金や生活保護の受給の手続きをするかどうか、とか。手帳を取得するかどうかとか…
その他、日常のちょっとした買い物、携帯電話の契約、行動など、軽く相談されたり、時には判断を求められることもあります。
後見人としては、法律行為に対して「代理権」がみとめられてはいますが、(保佐、補助なら同意権もあります)
必要のないことまで金銭の利用を禁じたり、参加を制限することはあってはならないと考えています。
これらの行為は、憲法で認められている基本的人権「自由権」に相当し、ゆえに最大限尊重されるべきものです。
もし、「確実にこのことを行ったら、本人に多大な損害が及ぶことが明白である」と判断されれば、
本人を守るために、支援者間で話し合い、慎重な議論のうえで、より最善の結論を出していきます。
よく、「後見人がついたら、お金を自由に使えなくなるんでしょ」とか、
「おこづかいもらえないんでしょ」とかおっしゃる方がおられます。
確かに、ネットでもそのようなことが書いてあるのを見かけたこともありますし、テレビでも報道されていました。
なんの理由もなく、おこづかいが全くない、使わせてもらえない。
もしそのような支援者、後見人がついてると考えられるのであれば、躊躇することなく、どなたかに相談に行かれても良いかと思います。
本人の意思に反する決断をせざるを得ないときは、より慎重でなければならないと考えています。
私たち後見業務を行っているものとしては、ご本人の大切なお金や資産を預かっています。
そのお金を守り、ご本人の生活が困ることがないようにしていく責務があります。
判断が難しい場合は、先ほども書きました通り、支援者間で共有して、どういう形がベストなのか、しっかりと話し合いを持ちます。
さらに「
意思決定支援ガイドライン」に基づいて、丁寧にプロセスをふみながら、最終の決断をしていきます。
意思決定支援については、色々と話すテーマがありそうなので、また後日あらためて書いてみたいと思います!
※法律の専門ではないので、意思決定支援に関することにつきましては、裁判所や公的機関の情報を参考にしていただけると幸いです。